写典のすすめ

趣意

「写典」は一般的に仏教では「写経」、神道では「書写」といわれているもので、高乃宮神社では、「大祓詞」、「日本書紀」、「古事記」などの古典を毛筆やペンで一字一字願いを込めて写し書くということから「写典」と称しています。           
平成二十年六月に高乃宮神社神道氏子会設立二十周年記念事業として高乃宮神社境内の一角に「洗心庵」という小庵が建立されましたが、この庵は精神的に荒廃した現代の世相を憂う宮司の発案で、ここに籠り雑念から離れて少しの時間でも一心に写典をし勧進することにより心を洗う場として開放する意図で建立され、「洗心庵」と命名されました。   
写典勧進は、この世にご神縁を頂いて生まれ出て生かされていることに感謝し、古典を紐解き、唱え、書き写し、ご神徳を頂くものです。
       
歴代天皇陛下も荒廃した世相を立ち直らそうと自らの考えを示し国民に訴えるべく「大祓詞」を発案され、国家の大事が起こったときには願いを込めた写経なども書き残されました。また、広島の厳島神社に残る国宝・平家納経や戦時中の血書なども祈願成就の思いを込めて奉納されたものです。写典をすることによってその願いが成就することは一人一人の真心のこもった宝物ともいえます。


「大祓詞から写し始め、「日本書紀」、「古事記」と書き進めますが、書き写したものに請願を記して奉納します。一度に全部を写し終えなくても何度に分けて書いてもかまいません。奉納はいつでも何巻でもすることができますし、また、家庭で書かれて神社に奉納されても差し支えありません。                           
高乃宮神社では毎月1日に奉納された写典を神前に報告して請願成就を祈願申し上げます。写典を通して聖なる文字に触れ心を落ち着け自分の心の中の美しい真心を蘇らせていただきますようお勧めする次第です。

「洗心庵」写典開放日

◇1月を除く毎月1日 午後1:00~4:00
準備の都合上予め下記にご連絡ください。
なお、写典の古典手本と用紙(初級編、中級編)を神社で頒布しています。
また、筆、硯、墨汁などの筆記具の貸し出しも出来ます。

◇連絡先
高乃宮神社
広島市安佐南区長束西1-42-1
TEL:082-239-3389