神葬祭の祭壇例 (高乃宮神社初代宮司・村田敦宣翁命)
神葬祭について
今日、葬儀の多くは仏式で営まれています。江戸時代の寺請制度のもとで、仏式による葬儀が一般化したことによります。しかし、江戸時代には、日本古来の葬儀のあり方を見直す運動が起こり、明治時代になって神道式による葬儀を行うことが、一般に認められるようになりました。神道式の葬儀を神葬祭といい、日本固有の信仰のもとに整えられた葬儀式です。厳かで儀式もわかりやすく、しかも、
神葬祭の流れ
・帰幽奏告(きゆうほうこく):故人が亡くなった旨を氏神社、御霊舎に報告します
・納棺の儀(のうかんのぎ) :遺体を柩に納めます
・通夜祭(つやさい) :夜を徹して故人の御霊を慰めるおまつりです
・遷霊祭(せんれいさい) :故人の御霊を霊璽 (れいじ)と呼ぶ白木の「みしるし」 に遷し留めるおまつりです。
・葬場祭(そうじょうさい) :故人に最後の別れをするおまつりです(告別式 (こくべつしき) )
・火葬祭(かそうさい) :火葬に付す際のおまつりです
・埋葬祭(まいそうさい) :遺体・遺骨を埋葬するおまつりです
・帰家祭(きかさい) :葬儀が滞りなく終了したことを霊前に奉告するおまつりです
・忌日祭 (きじつさい) :十日祭・二十日祭・三十日祭・四十日祭・五十日祭(五十日をもって忌明け、納骨を行うのが通例)
・清祓(きよはらい) :五十日祭を終え家中を祓います。そして、神棚のおまつりを再開します
・百日祭(ひゃくにちさい) :亡くなってから100日目に行います
・命日祭(めいにちさい) :毎月、毎年巡ってくる亡くなった日に故人を追慕します
・年祭(ねんさい) :一年・二年、三年・五年・十年、以下十年毎に行い、五十年の次は百年、以下百年毎に行います
注)神葬祭に参列した場合のお参り
神前と同様に二礼二拍手一拝の作法でお参りすることに変りありませんが、神葬祭での拝礼の際には、亡くなられた方を偲び慎む心を表すという意味から、音を立てずに拍手をします。これを忍手 (しのびて) と言います。
忍手でお参りをする期間は、地方によって違いがあるようですが、五十日祭が終わるまでは忍手でお参りをするところが多いようです。
御霊舎のまつり
祖先の祭りは神棚とは別に御霊舎 (みたまや)で行います。これは仏式でいう仏壇にあたるもので、祖先の霊が鎮まる霊璽を納めるところです。
御霊舎は神棚とは別の場所に設けますが、間取りなどにより神棚の下や隣に設けることもあります。
神棚の下に設ける場合は、神棚を大人が見上げる位の高さに、御霊舎は上半身の高さに設けます。神棚の隣に設ける場合は、
御霊舎の位置をやゝ低く神棚との座位を考えて並べます。御霊舎を初めてお祭りする場合には、神社にお払いをしてもらいましょう。
注)霊璽 (れいじ)
霊璽は位牌にあたるもので、御霊代 (みたましろ) ともいわれます。神葬祭では戒名にあたるものがありません。
故人につける神道の霊号には、その徳をたたえる意味もありましたが、今日では名前の下に「命 (みこと)」、男性は「大人(うし)」、「彦 (ひこ)」、
女性は「刀自 (とじ)」、「姫 (ひめ)」等をつけることが一般です。霊璽の裏面には「何年何月何日帰幽享年何歳」等が墨書されます。
◆神葬祭承ります
先祖祭祀、葬儀を日本古来より伝わる神葬祭で行いたいとお考えの方はお気軽にご相談ください。
出張での斎行もできます。御霊舎でのお祭りの仕方や、その後の追祭、永祭まで責任をもってご奉仕させていただきます。
神葬祭の例
通夜祭
葬場祭(告別式)
五十日祭
納骨式
年祭(石井壽夫大人命五年祭(平成8年7月18日広島市・三瀧荘にて))
年祭(石井壽夫大人命十年祭と胸像建立除幕式(平成12年8月27日高乃宮神社にて))